断熱材について考えてみる! ~アズデザインが使ってる断熱材はどんなの?
はいさい!現場監督のヨネっちです。
アズデザインは主に新築注文住宅をつくっています。んで、【デザイン性・高気密・高断熱・高耐震】にこだわっておうちを建てているのですが、その中の【高断熱】の部分で、どういう断熱材を選択して使っているのか、なぜこの断熱材を使っているのかについていろいろとお知らせしていこうと思います!
おさらい!高断熱の基準とは
この記事で、【高断熱住宅】のメリットや、基準となる単位や数値について書いてみたのですが、簡単におさらいすると、
住宅の断熱性は「UA値」という指標で表される!んで、As designの建てる注文住宅のUA値は平均で0.46(最近6棟の平均)でした。
詳しくは こちら の記事で書かせていただいた通り、HEAT20っていう基準のグレード2に相当する数値になります。
おそらく。推測ですが、佐世保の工務店の中でもこの数値を標準で出している新築注文住宅の工務店は少ないと思います。
では、このUA値平均4.6の高断熱住宅をつくるのに、どんな要素がるかというと 、
- ぐるっとくるんだ断熱材の性能
- 断熱材にはくるまれていない部分=開口部、つまりは窓、サッシや玄関の性能
主にこのふたつの要素が重要になってきます。
2のサッシの標準仕様についてはまた今度アップすることにしますが、今回は1のアズデザインで使っている断熱材についてです。
住宅建築によく使われる断熱材にはどんなものがある!?
新築住宅で主に使われる断熱材にはどんなものがあるんでしょうか。
断熱材 | 主な特徴 | 主な工法 | 熱伝導率 [W/(m・K)] |
---|---|---|---|
①グラスウール | ■安価 ■広く普及している ■燃えにくい ■防音効果がある ■防湿シートなどの湿気対策が必要 |
充填 | 0.033~0.050 |
②ロックウール | ■燃えにくい ■撥水性が高い ■防湿シートなどの湿気対策が必要 |
充填 | 0.035~0.047 |
③セルロースファイバー | ■価格が高い ■吸湿・放湿機能がある ■防音効果がある |
充填(吹き込み) | 0.038~0.040 |
④ポリスチレンフォーム | ■主に「ビーズ法」と「押出法」の2種 ■結露を防ぎやすい ■施工しやすい ■熱に弱い |
外張り 充填 |
0.024~0.043 |
⑤硬質ウレタンフォーム | ■価格が高い ■断熱性に優れる ■万一燃えると有毒ガスが発生する |
外張り 充填(吹付) |
0.023~0.040 |
⑥フェノールフォーム | ■価格が結構高い ■燃えにくい ■有毒ガスの不安もほぼない ■耐久力がある ■断熱性が高い |
外張り 充填 |
0.019~0.036 |
だいたいこんな感じでしょうかね。
それぞれ詳しく見ていきます。
①グラスウール
ガラスを高熱で溶かして繊維状にしたもの。廃ガラス等を溶かして作るらしいので、そういう意味ではリサイクルで環境にやさしいですね!
安価で、比較的に施工もしやすく、今でも多くの建築会社が採用している王道の断熱材になります。
でも、弱点をいうと、湿気を吸いやすく、防湿シートなどの施工が不十分だと垂れ下がりや湿気によるカビの原因になったり、断熱性能が損なわれたりする場合もあります。
施工は自由に曲がるし、カッター等で加工できるため簡単なようで、、、すき間なく詰めるのがかなり難しいです。
②ロックウール
こちらも王道の断熱材です。グラスウールと違い、鉱物からできています。簡単に言うと石を高熱で繊維状に加工したものらしいです。
原料が違うのですが、グラスウールと似たような特性を持っています。ガラスでなくて石からできている分、熱や炎に強い特徴もあります。グラスウールと同じく綿状になっている商品なので、湿気は取り込みやすいので、防湿シートで丁寧に施工する必要があります。
グラスウールと同じように、ていねいにすき間なく詰める施工技術が必要になります。
③セルロースファイバー
新聞紙や段ボールなどの紙の繊維から作られた断熱材です。最近このセルロースファイバーを採用している工務店もちょこちょこ増えてきているようです。
天然素材由来であるので、エコで、環境にやさしい面があるといえます。ホウ酸などの薬剤をしみこませて燃えないように加工してあります。
吸湿・放湿機能が優れていて、湿気を吸うんですけど、放出もしてくれるいわゆる調湿機能があるのがウリです。
価格は高いです。
紙の繊維が羽毛状になっている感じですが、施工精度が悪いと沈下して偏りがでてしまう場合があります。
「吹き込み」という方法で、壁の間に詰めていくのですが、ぱっつんぱっつんにすき間なく詰めないと、生活振動や地震みたいな揺れで下の方に詰まってきてしまうこともあるようです。
④ポリエチレンフォーム
ポリエチレンフォームはいわゆる発泡スチロールみたいなやつです。お馴染みの発泡スチロールだと、火をつけたら、メラっと炎も出つつ溶けまくってしまうので住宅には使えませんが、ポリエチレンを主原料に、難燃剤をまぜて発泡させて成形したものになります。
「押出法ポリスチレンフォーム」と「ビーズ法ポリスチレンフォームの2種類の成形法があります。
ビーズ法ってのがいわゆる発泡スチロールの状態(つぶつぶの(ビーズ状の)ものが合体している感じ)で、住宅の断熱材として使われるのはほとんどが「押出法」で作られたものです。
①グラスウール②ロックウール、③セルロースファイバーのような【繊維系断熱材】と違い、水や湿気に強く、断熱性能も割と高いのが特徴です。
発泡スチロールの箱の中に氷入れて飲み物入れてたらかなり冷え冷えが持続する体験はみなさんしたことあると思うので断熱性能についてはイメージしやすいんじゃないでしょうか。
ただ、やっぱりプラスチック系の素材から作るものなので、対策してあるとはいえ熱には弱めです。
⑤硬質ウレタンフォーム
④のポリエチレンフォームと同じくプラスチック系樹脂の素材を使って発泡させたものです。
ポリウレタンが原料になります。
発泡スチロールや、上記ポリエチレンフォームのように板状になった製品もありますが、このウレタンフォームは施工現場での発泡が簡単なため、多くの住宅建築現場では建築現場で発泡して吹付によって断熱施工していく感じになります。
トラックに加圧発泡する機械を積んできて、材料(ポリウレタン、難燃剤、発泡剤)をその場で混ぜて発泡し壁の断熱施工する部分に吹き付けていきます。液体状で吹き付けて、木材などに接着し、それから徐々に発泡していくので、狭いすき間や、パイプや電線の裏側とか複雑な部分にも簡単に詰め込んでいけるメリットがあります。
上の写真でもびっちり柱と柱の間に詰まっていますよね。
でも、他の繊維系断熱材などのように形も厚みも自由に変形するため、施工する人のスキルによって出来不出来の差が生まれやすいです。
上記表のように、断熱性能は結構いいです。
でも、やっぱりプラスチック系樹脂が原料なので、熱には弱めとなります。
⑥フェノールフォーム
ポリエチレンフォームや硬質ウレタンフォームと同じくプラスチック樹脂系の素材を使い、フォーム状(発泡)させた断熱材になります。
④のポリエチレンフォームや⑤の硬質ウレタンフォームがどうしてもプラスチック由来の為熱に弱いという弱点がありましたが、このフェノール樹脂というのは熱に強い樹脂で、プラスチック系の弱点をカバーしています。
身近なところでは、鍋やフライパンの持ち手やつまみに使われている樹脂ですね。
このフェノール樹脂を発泡させた断熱材は、断熱性能も高いんですが、やっぱりその分高価でもあります。
ロケットエンジンのノズルや大気圏再突入のカバーなどにも使われているみたいです。
As designが使っている断熱材は!?
ここまで書いていてなんだか手前みそですが、アズデザインはフェノールフォームの断熱材を使っています。
理由としては、
★高い断熱性能!
★樹脂系では圧倒的に熱・炎に強い!
★繊維系断熱材と違って、固形のため、湿気や振動で落ちてきたり偏ったりすることがない!
ためです。
具体的な製品名としては、【ネオマフォーム】という製品を使っています。
ただ唯一のデメリット的な部分が高価なこと。
だけどアズデザインでは、R+houseの全国の中小工務店さんたちでのいわゆる共同購入的な仕組みを利用してできるだけ安く手配できるように考えています。
あとは、断熱材の入るスペースが大きくなったり小さくなったりしないよう【決まり】を作って、工場でカットしてもらった同一サイズの断熱材がきっちり入るように考えています。そうすることにより、極力材料の無駄・ロスをなくすことができるからです。
高断熱住宅は、外気温の伝わりを少なくし、同じく室内温度が逃げないようにすることで、外気温の影響を受けず温度を一定に保つことができる住宅です。
エアコンなどの冷暖房機器は効率アップすることによる省エネ効果・冷暖房費節約、そしてヒートショック予防などにつながります。
やっぱりどうせ建てるなら、一生に一度のお買い物、いい断熱材を使って高断熱な住宅に住んだ方がいいですよね!
以上、アズデザインが使っている断熱材の紹介と、 なぜその断熱材を選んでいるかの理由について書いてみました!
自分的には、今現在リーズナブルに手に入る断熱材の中ではベストじゃないかと思っています。
それではまた~~!!